2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第42章及び43章(完)

第42章十一月二十四日午後六時、神谷はクオピオ警察署において担当の刑事を前に、ハッカネンが自殺するに至った状況を淡々とした口調で語っていた。 刑事の書いた調書に署名を済ませ、神谷が署を出たのは七時間も後であった。 その間、ハッカネンの死が神谷…

第41章その5

(第41章その5) 神谷は身をこわばらせ、両膝に指をくい込ませた。 撃たれる、そう思うと、自分が何の防御もせずにここへ来てしまったことが悔やまれてならなかった。 危険を考えるよりも復讐することで頭がいっぱいになり、みさかいもなく敵地へ乗り込ん…